想い出のベンツの路線バス

私は、現在は地方在住ですが、以前は大阪市内に住んでいました。大阪市内では、公共交通機関が便利で良かったのですが、バス、特に市バスの充実度については有難かったと思います。現在でこそ、民営化が進められている、大阪市交通局ですが、私が住んでいた頃は、バス路線の拡充も行われていて、比較的利用し易かったのも事実です。今回取り上げるのは、大阪市交通局の市バスです。私が住んでいた当時は、一般の路線バス以外に、ループバス(通称 赤バス)と呼ばれるバス路線がありました。市内で、今迄路線バスが運行されていなかった地区を中心に、小型のバスを走らせ、運賃も一般の路線バスが200円均一(消費税が5%の時代です)だったものを100円均一とし、他の路線バスや地下鉄、ニュートラムといった大阪市交通局の運営する交通機関に乗り継げば割引きになる制度もありました。本題は、この赤バスです。この赤バスは、2つのメーカーのものを使用しており、1社は国産メーカーのものでしたが、もう1社は、何とベンツのバスでした。他の路線バスには無く、当然、民間のバス会社では見られない、ベンツの路線バスが大阪市内で、しかも始発から終点まで乗っても、片道100円というのは、物凄く得をした気持ちになりました。赤バスは、その名の通り、車体が真っ赤に塗られており、非常に目立つ存在でしたが、その中でも、ベンツのバスは、フロントガラスの下にベンツのエンブレムが付いていて、思わず「凄い!」と唸りました。ドアは、横にスライドして開閉するもので、音も静かでしたが、室内は思った以上に屋根が高く見え、窓が比較的大きく感じられて開放感がありました。シートは、窓側に一人掛けの座席が並んでおり、最後部の座席は進行方向に向かって、横一列に一人掛けのシートが並べてあるといった構成でした。何時乗っても、満席になる程の乗車率ではなかったので、ゆったりとした時間が過ごせたのですが、こういった形でベンツに乗れるのは、他の地方では滅多に無いことですので、貴重な時間を過ごせたと思います。難波といった中心部の辺りでも見かけた方もいらっしゃると思いますが、残念ながら、この赤バスは、役目を終えたということで、ループバス路線全てが廃止となり、このベンツの赤バスも消えました。しかし、多くの人々に親しまれた赤バスは、多くの人々の記憶に残っていくと思います。